去る6月10日(土)にFASHION MANU FACTUREが開催されました。
第5回目は、染色を基盤に、ファッションからナノテク素材まで、多彩な事業領域をカバーする「先端ファブリックメーカー」小松精練の顧問を務められる宮元むつ子さんと研究開発チーフ澤出依美さんに登壇頂きました。
テーマは、小松精練の「シーズ」クリエーションと題し宮元様より小松精練のご紹介、北陸地域の特性、そして小松精練の持つノウハウ「シーズ」をご説明頂きました。
小松精練については、御存知の通り日本の繊維メーカーの中で現在のところヨーロッパでは最も人気があるといわれ、技術力の高さには定評があり、その企業価値が認められています。もとは染色加工を請負っていた染工場であったところから大きく進歩し、「みずから商品企画し、みずから販売する“自販”路線」を開拓し、大きく成長をとげた最初の会社でもあります。小松精練は特別な技術や材料である「シーズ」を糧に商品を開発し続け、世の中に新しい価値を提供されてます。
私達が良く知っている化学繊維の染色、プリント、後加工技術など、勿論、染色工場としての染色技術がコアにあるものの染色機械を制作する関連会社、はたまた化学メーカーさながらの研究開発力を活かしハイテク分野開発まで幅広いポテンシャルを有しております。一例として染色工場から出た廃材、余剰バイオマスを使用したグリーンビスと言う発泡セラミック資材の開発や今後は炭素繊維から建材、構造物用資材などファッション業界以外への進出など期待されそうです。
また、最新の開発商品事例として2016年度グッドデザイン賞受賞した 「オニベジ」(オニオン ベジタブル染)をその商品の開発に携われた澤出さんからお話しして頂きました。
「捨てるものから生まれる、人にも自然にも優しい素材。」
オニベジは、特殊改質加工を行った合成繊維に対して、廃棄されるタマネギの皮から抽出した成分をベースに、様々な植物の天然成分を配合して染色を可能としたテキスタイルです。通常、合成繊維は植物成分が固着しにくく、日光や洗濯などで色が落ちてしまいますが、オニベジは独自技術により繊維を改質することで、植物成分が固着しやすく落ちにくい素材となっています。さらに廃棄物であるタマネギの皮を有効利用することによって、環境に優しく、かつ化学染料だけでは表現できないナチュラルな色を表現しています。
http://www.g-mark.org/award/describe/43435
その他、まだまだ話題は付きませんが、世界に向けて発信する元気な繊維関連会社さんが日本に有ることはアパレル業界にとっても貴重な力になると思います。
最後に宮元様より小松精練内にあるfa-bo(アーカイブ資料室)への見学をご招待頂きました。
Fashionstudiesさんと今後、見学ツアー実施の予定を検討したいと思います。改めて公募致しますので宜しくお願い致します。
■FASHION MANU FACTUREはファッションにおけるものづくりを考えていく会です。
FASHION MANU FACTURE 実行委員会
主催 Fashion Studies
協力 株式会社シオンテック 株式会社アパレルコンシェル 空仮中舎
企画 篠崎友亮(Fashion Studies)
深澤 恵美子
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